先日、ラジャホテルの入口前にあるバービアで友人O氏と待ち合わせ。人間観察という深夜探検には欠かせない業務をするため、外にある席に座って飲んでました。そこに、関取のような巨大な体で、子供のようなあどけない笑顔の青年が股をすりながらのそのそとやってきました。
バーのお姉さまの近くへやって来て、お金をくれと堂々たる態度、大きな体で笑顔、お姉さんを見つめ、もらうまで返らない粘り強さ、不動の男だ。「早く行ってちょうだい!」なのか「可愛そうだね」なのかわかりませんが、お姉さまは20バーツ(THB)を渡していました。
マニアックな喩であるが、北斗の拳に登場する南斗五車星の1人”山のフドウ”のようです。深夜探検隊では、彼に”ナナのフドウ”というコードネームを付けてみました。
次にナナのフドウはラジャホテルの前にいるロシアンワールドへの道先案内人達の所へ行いました。話をしてから、お金をもらって帰えって行きました。
昨晩、ボクはラジャホテル敷地内のあるバービアで飲みながら外を眺めていたら、再びナナのフドウをみかけました。
興味本位で、バーのお姉さんに彼についていくつか聞いてみました。
「彼は何をしているの?」 「知的障害のある人で、物乞いをしているよ。」
(なんとなくそうだなと感じていました)
「いつからいるの?」 「ずっと前から、8,9年はいるんじゃない・・・」
「凄く太ってるよね?怖そうだよね?w」 「以前は痩せてたんだけどね。怖くはないよ。ただのデブw」
「食には困っていないようだが・・・」 「だって彼、1日700~800THBも得るんだよ。デブになるよ。」
そんなに収入良いのかよ!驚きです。
一般的に、バービアで働くお姉さまの日給は200THB程度、レディドリンク1杯で20THB程度が加算されていくのです。ナナのフドウは1日700THB得るとして30日では21000THBになります。大卒サラリーマン並みの月収ではないか。もちろん無税です。
帰えり途中、スクンビット・ソイ4(ソイナナ)のバービア前でナナのフドウを見かけました。ファランに物乞いしているようです。(画像はそのときのものです)
タイではタンブンという”困った人を助けて、自分の幸福を貯める”(善を行い、福徳を積む)文化があります。身体障害者や知的障害者と遭遇したときに、彼らを哀れに感じて助けます。そして、それを積み重ねて、自分へ幸福がやって来ると信じているのです。
日本と違い生活できるほど税金による援助はなく、雇用制度もありません。だから、ナナのフドウは物乞いをするしかないのです。しかし彼は笑顔でこの物乞いを楽しんでいるように見えました。セレブな収入であの笑顔!まさに”物乞い王子”なのです。それにしても稼ぎ過ぎではないだろうか?
テーメーカフェ前にいるおばちゃんも基本物乞いです。彼女と時々話をしますが、あまり不満がないように感じました。車椅子の売春婦さんも知り合いですが・・・彼女は不満がたくさんあるようでした。タイには表立った物乞いに近い行為をする人がたくさんいます。タンブンという文化を知ってしまったボクとしては複雑な気持ちになりますね。
我々日本人がタイで出くわし、トラブルや危険に遭遇しないよう事前にお伝えしたく記事にしています。彼の存在を面白半分に記事にしているのではないことを理解していただきたいと思います。
TEXT BY 隊長 ラチャダー村岡 @bkkmidnight
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